三国志 Three Kingdoms 第14話 「呂布の裏切り」


三国志 Three Kingdoms 第13話 「曹操、皇帝を傀儡とす」



「恐ろしいとはお思いにならないのですか?
[劉備]の根幹だった《徐州》を将軍は奪ったのです。
誰も、これほどの屈辱は耐え難い。
ところが[劉備]は、恥を忍び、怒りを抑え、水のように穏やかな様子で、
そのような人間は、一体、何を考えているのか。恐ろしい人です。」

―[陳宮 公台]



第一部「群雄割拠」第十四集

時代背景:西暦196年(建安元年) [呂布]による《徐州城》攻撃


[献帝]は[曹操]によって保護され、天下に対して彼の影響が強まる中、

《徐州》にて未だ同盟関係ということになっている、[劉備]と[呂布]。


[劉備]は“徐州牧”となり、[曹操]がしたためた[袁術]討伐の命令に従い、

戦いへと向かいますが、

その留守を守るため、不安ながら、頭に血が上りやすい[張飛]を《徐州》の守りにつかせます。

禁酒令を出すという命令をつけて。


[袁術]は、自分に向かって[劉備]が攻めてくる事を知り、激高するものの、

[呂布]と内通して、留守の隙に《徐州》を奪ってしまう提案がされます。

[呂布]にとっても、自分の居城となる場所は必要であり、

[陳宮]の提案で様子を見ることに。




しかし軍令を出して、酒を禁じたにも関わらず、

[張飛]は酒をやりだしてしまい、簡単に[劉備]の言伝を簡単に破るのでした。

そこで酒が飲めないという[呂布]の従兄弟の兵士を、

怒って、百叩きの刑で痛めつけてしまったため、

その[曹豹]は、[呂布]にそれを言いつけ、

やはり侮辱されたと怒った[呂布]は、[張飛]が酒をやっているという事、

[劉備]がいないことも知り、彼は《徐州》を奪うことを決意します。


そして[張飛]が酔いつぶれているところ、

《徐州城》はいともたやすく[呂布]に奪われてしまうのでした―。

更に、丁重には扱われるものの、[劉備]の家にいた、彼の妻達も人質とされてしまうのです。


泣く泣く自分の失敗を[劉備]に報告しに来た[張飛]。

また自分の領地を失った[劉備]ですが、

更に[袁術]が攻めて来ている事を知ります。


ここで[劉備]がとった行動は、《徐州》に戻るということ。

[劉備]はまだ[呂布]が、更には裏切らないということを言うのでした。

[呂布]も[劉備]らには手出しをせず、丁重に出るものの、

結果的に[劉備]は[呂布]よりも立場が下になったも同然なのです。

しかし、感情的に成らない[劉備]は、これを戦争まで広げなかったのです。




これに一番気に入らなかったのは、それに乗じて《徐州》を取りたかった[袁術]。

[袁術]らは、[呂布]を落とすために、

袖の下として、20万石もの兵糧を渡すのですが、

こうして《徐州》を落とすという策は、[陳宮]により見破られるのです。


全て上手くいっていると思い込んでいる[呂布]は、[陳宮]の忠告など聞かず、

[袁術]が《徐州》を攻める名分を作ってしまうのです。




このエピソードの注目点

「[劉備]と[呂布]の関係の絶妙さ」



普通ならば、ここで[劉備]らが戦争になるも同然。

少なくとも、他の諸勢力ならばそうなるところを、

屈辱的なことをしてまで、[呂布]に従うことになるのでした。


しかし[劉備]からしてみれば、

それは漢室から借りていた土地を治めていただけであって、

その統治を[呂布]に任せるだけ。なのだとか。

彼の義兄弟いわく、お人好し過ぎではありますが、

[陳宮]は[劉備]の更なる思惑に、恐れを抱いていたようです。



注目の人物



[張飛 翼徳]
西暦:?年〜221年(章武元年)

吹替:天田益男

[劉備]の義三兄弟の弟分。

豪胆な性格と武勇を誇っており、『劉備軍』の五代将軍、

更には皇族にまでなった彼ですが、

酒に溺れて失敗しやすいという欠点があり、今回もそれによって、

大失敗をしてしまうということになりました。

[劉備]は、[関羽][張飛]らと、義兄弟の契りを交わしており、

死ぬときも共に、と誓っているので、軍令では、死にきれないようです。


[劉備]とともに歩み続けた彼は皇族となったので、

娘が、[劉備]の後継[劉禅]に嫁いで皇后になり、

『蜀』の国を支えることとなりました。


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三国志 Three Kingdoms 第15話 「轅門に戟を射る」
三国志 Three Kingdoms 第15話 「轅門に戟を射る」

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