○来歴 
          
          「甘寧」の出は詳しくは不明ですが、 
          
          「孫権」に出会う以前は、若い頃から不良の仲間を集めて武装させ、 
          
          その頭領として幅を利かせていました。 
          
          若い頃は山賊として周りを恐怖させ、常に携帯していた鈴の音から、 
          
          「甘寧」の名が知られていたといいます。 
          
          しかしある時、「甘寧」はそうした乱暴ごとをやめるようになり、 
          
          《荊州》の「劉表」に身を寄せて、《南陽》に住むのですが、 
          
          重宝はされず、「黄祖」の下に身をとどめるのでした。 
          
          《夏口》で起きた戦いで、「凌統」の父「凌操」を打ち取るなど活躍を見せるものの、 
          
          やはり彼の待遇は重宝されなかったので、やがて「孫権」に下るのでした。 
          
          「孫権」の配下になった彼は、「周瑜」「呂蒙」などに推薦され、 
          
          『荊州の戦い』で「黄祖」を攻め討ち取り、『孫権軍』においては重宝されていきます。 
          
          かの『赤壁の戦い』では「周瑜」とともに戦い、 
          
          さらに、追撃を加える『南郡の戦い』で猛攻に耐えながら、戦い続け、 
          
          「曹仁」を撤退させるのでした。 
          
          やがて「孫権」と「劉備」は《荊州》をめぐって緊張状態になりますが、 
          
          この中で起きていく戦いが「甘寧」の活躍の場になります。 
          
          一方で、『曹操軍』とも争いが続き、 
          
          『合肥の戦い』は負け戦にはなったものの、「凌統」らと奮戦を続け、 
          
          ここで起きた危機を乗り越えるのでした。 
          
          「曹操」が《濡須》へ進行したとき、「甘寧」は“前部督”となって、 
          
          奇襲の夜襲を仕掛けるなど活躍。 
          
          「曹操」には「張遼」がいて、私には「甘寧」がいると、 
          
          「孫権」は、「甘寧」の武勇、豪胆さを賞賛するほどでした。 
          
          さてそんな「甘寧」ですが、粗暴な人物であると言われており、 
          
          元々が盗賊でしたから、略奪などもしていたようです。 
          
          しかし爽快な人格で、優れた計略を持ち、 
          
          身分の高くない出身であり、兵士たちも手厚くd育てたのだとか。 
          
          一方、「凌統」との因縁がある彼ですが、 
          
          一度、酒宴が開かれたとき、「凌統」は刀を、「甘寧」は双戟を持ち、 
          
          一触即発の状態になりますが、この間に入ったのが「呂蒙」。 
          
          彼は二人の衝突を危ういところで止めたのです。 
          
          その後、「凌統」とは共闘していくようになります。 
          
          彼の享年は不明。『三国志演義』では『夷陵の戦い』で、 
          
          病をおして出陣し、討ち取られたことになっていますが、 
          
          『三国志 甘寧伝』では215年で死去しているなど、 
          
          もっと早い段階で死去しているとも言われています。 
          
          盗賊が英雄の一人となっていく人物のひとりで、 
          
          しかも彼は、『赤壁の戦い』などでの活躍を見せるなど、 
          
          人気も高そうな様子ですね。 
          
          息子に、「甘?」がいましたが罪を犯して流刑。 
          
          「甘述」から「甘昌」「甘卓」と続いた方の家系も、 
          
          『東晋』の建国に尽くしたものの、討たれてしまう最期を遂げてしまいます。 
          
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