三国志 Three Kingdoms 第55話 「計りて虎穴を脱する」

三国志 Three Kingdoms 第54話 「甘露寺に婿を招く」





「妹婿を養う金としては高いが、
それで《荊州》が奪い返せるなら安いものだ。
[劉備]は骨の髄まで腐りきり、私の言いなりになる。

[趙雲]が[劉備]の自堕落な様子を《荊州》に伝えれば、
士気が乱れる。
そうなると我らの《荊州》取りがより容易になる。」

―[周瑜 公瑾]



第四部「荊州争奪」第五十五集

時代背景:210年(建安14年)


[孫小妹](孫尚香)と結婚した[劉備]は、

その命を狙われつつも《孫呉》での暮らしをしていていました。

しかしそれは、豪華な屋敷で酒を呑み、美人をはべらせるという、

今までの[劉備]からは想像もつかないほどの自堕落なものでした。




この事に危惧を感じた[趙雲]や[孫乾]ら。

[趙雲]は[諸葛亮]から渡されていた、封書の一つを、

年末近くにあける約束を思い出し、その一つを開きます。

そこにあった命令による芝居なのか、

彼は[劉備]の前で激怒し、彼を叱責するということをしてのけます。

主に楯突いたと、仲違いをしてしまった[劉備]と[趙雲]。

[趙雲]は《荊州》へと連れ戻されてしまいます。


《荊州》に戻ってきた[趙雲]は、[諸葛亮]により、

[劉備]を見捨てたと罰せられるものとなり、

これが[関羽][張飛]の反感を買うことになります。

“美人の計”の謀であり、いてもたってもいられなくなった、

[関羽]と[張飛]は『呉』に乗り込むことを計画しますが、

[諸葛亮]に止められます。

そして再び[劉備]の元へ、自分がいかねばと戻っていく[趙雲]。


もちろんこのことは[周瑜]の知るところとなり、

[周瑜]は自分達の計略が上手くいっていると思うのです。


ですが、これらは[劉備]と[趙雲]、[諸葛亮]の体を張った芝居であり、

上手く《孫呉》から脱し《荊州》を増強させるという、

策に対してかけた策だったのです。

しかし、そのことを知らない[関羽]と[張飛]が今にも爆発しそうなため、

なるべく早い脱出を[劉備]は考えるのです。

更に夫婦であり、命の恩人でもある[孫尚香]も連れて帰りたいと、

[劉備]は[趙雲]に言うのでした。


そして事の次第を妻である[孫尚香]には話す[劉備]。

彼女の為を思い、自分にはついてこないように言うものの、

彼女は[劉備]についていく決意をしているのです。



[劉備]の事情を察した彼女は、[周瑜]らに《荊州》に戻る理由として、

明日が自分の父親の命日であるため、

城を出る名分のため、参りにだけでも行きたいということを、

母の[呉国太]に話します。

しかしどうやら[呉国太]は娘の本心を見抜いていたようで―。

[呉国太]は、[周瑜]配下の[周泰]に内密に何かを命じるのです。


一方、《荊州》では、[諸葛亮]が[張飛]らの怒りを買い、

実は兄で[孫権]配下の[諸葛瑾]と共謀し、

[劉備]から独立しようとしているのではないかと、

恨みを買ってしまうのです。


[呉国太]はわざと酒宴の席を開き、[孫権]ら『呉』の主力達を集め、

酒に酔わせて、その隙に[劉備]達を城から行かせるのです。

しかし[劉備]らの脱出は、

すぐに[周瑜]配下の[呂蒙]らの知られるところとなり、

追撃部隊が出されます。



[劉備]は水軍を避け、陸路で逃げようとしていましたが、

そこにも兵士達が追ってくるのでした―。






このエピソードの注目点
「美人の計を制する者は誰か」

[周瑜]は“美人の計”によって[劉備]を骨抜きにして、

内紛させて《荊州》を取り戻そうとします。

この話で重要なのは、[劉備]達のどこまでが芝居だったのかということ。


出だしは[劉備]が完全に落ちぶれてしまったように見えますが、

これが、仲間割れをした風を装った芝居だったのか、

[諸葛亮]が仕組んだ計略なのか。

それに惑わされる事になるでしょう。

結局は[周瑜]の策から逃れ、《荊州》の兵を増強する策でしたが、

これが彼の怒りを買う事になってしまうのです。

《荊州》の争奪戦はまたしても危険な状態に―。



注目の人物



[周泰 幼平]
?年〜?(222年〜229年)年

吹替:大羽武士

『呉』の[孫策][孫権]配下の勇将の一人。

『山越』という勢力の襲撃から、傷だらけで[孫権]と城を守った、

という武勇が有名な武将です。

さすがにドラマではそこまでやりきれませんが、

[孫権]配下、『呉』の武将として、『赤壁の戦い』『夷陵の戦い』などで、

度々名が上がっています。


はっきりと顔が出てきたのがこの話で、

目立った活躍もドラマ中ではあまり見られませんが、

歴代大都督達が移り変わりながらも、それぞれに仕え、

要所で活躍している姿が見られます。


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三国志 Three Kingdoms 第56話 「再び周瑜を怒らせる」
三国志 Three Kingdoms 第56話 「再び周瑜を怒らせる」

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