三国志 Three Kingdoms 第53話 「孫権、兵符を返す」

三国志 Three Kingdoms 第52話 「劉備、呉を訪ねる」





「天下統一の究極の術は、“仁術”です。
[曹操]は覇道を貫いてきた。
ところが『赤壁』の敗戦後《許都》に戻ってからは、
報復の挙兵はせず、臥薪嘗胆。人心を集めています。

大敗を喫して、ついに[曹操]も悟ったのです。
“仁術は、覇術に勝る”と。」

―[魯粛 子敬]



第四部「荊州争奪」第五十三集

時代背景:210年(建安14年)


『孫家』と縁戚になるため、それが[周瑜]らの罠と知りつつも、

『呉』の領地に向かう[劉備]。


しかし、独断で《荊州》への攻撃をするなど、

やり過ぎな[周瑜]の攻撃的な策に、

[孫権]は、それをたしなめ、[周瑜]は兵符さえ返そうとします。


一方、同盟を崩すことは出来ないと主張するのは[魯粛]。

[周瑜]の人望から、軍を引き返すのは困難であるということに、

[孫権]は憤慨します。



更に、自分たちの策を利用して、《荊州》の地盤を固めようとする[諸葛亮]には、

[周瑜]も怒りを露わにしているのでした。


強硬派な武人達は[孫権]の命令には従わず、

孫呉の軋轢が生まれようとしていましたが、

これに対して、[孫権]の義母である[呉国太]は、

やはり『呉』の基板を守るために、娘[孫尚香]を、

[劉備]に嫁がせるというのです。


一度は衝突した[孫権]と[周瑜]は和解し、兵符が[周瑜]に返されます。

するとやはり[劉備]を滅ぼすべきと言い始める[周瑜]でしたが、

もしそんなことをしたら、『漢』や民を敵に回すと、

[魯粛]はすでに軍を撤退させていました。


しかし、敵でもあり、味方でもあるように振る舞う[魯粛]の態度は、

[孫権]からの信頼を失わせ、[魯粛]は罷免されてしまいます。


今は自分達が争っている場合ではなく、

天下の事を考えるべきと、[魯粛]は理解しており、

仁徳をもって、世の中を治めないとならないことを、

[周瑜]に諭します。


そして[劉備]との婚姻は、直に[孫尚香]に[劉備]を見せ、

気に入れば縁談に持ち込むと、そう判断するのです。

[周瑜]は年老いてきている[劉備]のことなど気に入らないだろうと、

そう判断するのですが、

全ては天意といいます。



そしてようやく登場する、肝心の嫁に行く予定の、

このドラマでは[孫少妹]と言う名で登場する[孫尚香]。


[劉備]と会ったことも無い彼女は、

いくら皇叔とは言っても、老人であると、

簡単には気に入らないようなことを言っていました。


一方で、こちらも肝心な婿になるはずの[劉備]ですが、

7日も放って置かれているらしく、

嫌な予感がしだしていました。

そこへようやく姿を見せる[魯粛]。


彼は《甘露亭》で[周瑜]が、縁談とは名ばかりの、

罠を張っていると伝えにきました。

即座に逃げるように言う[魯粛]でしたが、

[劉備]は、罠など承知で、波風を立てないように、

このまま向かうというのです。

そして両者が対立すれば、最も喜ぶのは[曹操]であると。





このエピソードの注目点
「[劉備][諸葛亮]を警戒する[周瑜]達」



すべての発端は、[劉備]と『孫家』の縁談にありなのですが、

背後に渦巻くのは、[劉備][諸葛亮]を警戒して、

何としても《荊州》を取り戻したいという[周瑜]らの意志。

そのため、彼に対しては敵対心や罠をいくつも張っているのですが、

これが彼らの目論見通りにいかないのが、

この『三国志』の見どころにもなっているようです。

同時に[周瑜]に訪れるのは、不遇の運命なのです。


注目の人物



[孫少妹](孫尚香)
?年〜?年

吹替:中村千絵

[孫夫人]などとしても知られる女性。[孫策][孫権]の妹で、

この物語では異母兄妹となっているようです。

その名が示す通り、やがて[劉備]の妻となります。

年齢は不詳なのですが、[劉備]とは相当歳が離れており、

あくまでも政治縁談です。

『三国志』ではこれに大きく脚色がされて、

[孫尚香]が[劉備]を気に入り、恋仲になるのですが、

これがまた、不遇な物語をも生んでいくのです。


また、武芸に優れた姫君であったことも有名になっています。


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三国志 Three Kingdoms 第54話 「甘露寺に婿を招く」
三国志 Three Kingdoms 第54話 「甘露寺に婿を招く」

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